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(セ・リーグ、巨人0−1阪神=延長十回、12回戦、巨人7勝3敗2分、19日、東京ドーム)東京ドームに張りつめた緊張感が漂う。両者0行進で迎えた九回二死三塁。フルカウントで、打席には強打者の小笠原。それでも、能見は冷静だった。女房役・狩野のサインに横に首を振った。
「状況的にも変化球を待っているかなと思ったんで」
渾身の力を振り絞って投じた116球目。外角いっぱいの144キロ直球がミットに吸い込まれると、ポーカーフェースの左腕が珍しく感情をむき出しにして、グラブを叩いた。完封こそならなかったが、記録よりも記憶に残る9回2安打無失点の快投劇。6月21日楽天戦(甲子園)以来、28日ぶりの4勝目を飾った。
「(無安打投球は)誰か早く打ってくれないかと思っていた。変に自分が意識してしまうので」
七回二死からラミレスに中前打を打たれるまで、圧巻の無安打ピッチ。「狩野がうまくリードしてくれた」と110キロ台のチェンジアップを効果的に使って、得意球のスライダーと最速146キロの真っすぐを生かした。
4日の横浜戦(甲子園)を最後に中継ぎに回っていた。自身の立場も理解していた。投球時には正対した状態から、ゆったりと体動かすことを意識して、右肩の開きをおさえた。打者に最後までボールが見えにくいように工夫し、自己最多タイの12Kを奪った。
「今までチームに迷惑をかけていたんで」。勝負の5年目。これまでのプロ野球人生、結果が残せず1軍、2軍を何度も行き来した。そんなときは必ず携帯電話にメールが入った。「お前はファームにいるような選手じゃないんだから」−。社会人・大阪ガス時代に才能を評価してくれた当時の担当スカウト、池之上格編成部課長(55)だ。今季の初完封のときも「おめでとう」と連絡があった。見守ってくれる人への恩返しの1勝でもあった。「きょうは能見の投球に尽きる」と真弓監督も手放しで喜んだ。
「0点に抑えられたことは今後の自信につながります」
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